八王子市 市民活動推進部男女共同参画課に、2006年4月13日提出しまし た。  


「『男女が共に生きるまち八王子プラン』
平成16年度評価報告書」に対する意見


全体意見:プランの評価に取り組んだことは評価する。また、その手法として、自己評価、第三者評価、そして、数値目標と指標という、評価の仕組みを採用したことは、評価をより客観的に行うために有効であると考える。しかしながら、平成16年度評価報告書を見て、こういった手法が適切に反映していたのかどうか、疑問に感じることがいくつかあるので、指摘する。
まず、自己評価についてであるが、各担当所管が評価の視点を選択し、それに基づき、進捗度をABCで評価するのであるが、この視点の選択が見当違いであり、評価対象とならないものまで評価しており、それによって進捗度の評価にも誤りがあるものが見られた。「男女共同参画の視点での事業の進捗度を評価する」ということに重点をおいた、と述べてあるが、具体的な評価に反映していない。このことは取りもなおさず、各部署が男女共同参画の視点を十分理解しておらず、その視点からの事業取り組みがなされていないということの表れでもある。また、ABCの評価に対する統一基準がない。
こういった各担当のばらつきをまとめ、八王子市全体として、男女共同参画の推進を図っていくのが、男女共同参画課の役割であり、それが、課題の進捗状況と今後の課題で示されているのであるが、各部署の事業実績に評価が引きずられていて、評価・分析・そして次年度の目標を設定するに至っていない。男女共同参画課のリーダーシップが強く求められる。
つぎに男女共同参画施策推進委員会による第三者評価であるが、この施策推進員会の役割が明確でなく、第三者評価となりえていない。各部署の自己評価、それに対する男女共同参画センターとしての評価、分析があって、第三者評価へとつながるのであるが、その前提がないことから、この第三者評価が次のプランを策定するための牽引力となっていない。
PLAN-DO-SEEといったマネジメントサイクルの構築をめざすとされているが、それぞれをつなぐ共通認識、つまり、男女平等をどう進めるのか、問題点は何か、八王子市での進めかたをどうするのか、といったことが明確になっていないことによる混乱、すれ違いがあるといえる。こういったことを調整するのが、男女共同参画推進会議であるわけで、今後のリーダーシップ、そして、全庁的な取り組みの推進を期待する。
最後の指標と数値目標であるが、今年度は具体的な数値目標を掲げるに至っておらず、今後の課題となっている。しかし、4つの主要課題に設定された8つの指標が妥当であるのかどうか、はなはだ疑問である。例を挙げるならば、なぜ、あらゆる分野での男女共同参画の推進の指標が町会・自治会への女性の参画率であるのか理解できない。一義的にあげるならば、政策決定・方針決定への女性の参画の推進における、管理職の女性割合のアップであり、議員の女性比率である。再考を要望する。
以上、評価をするにあたっての基本的問題点を指摘した。具体的な各課題については次ページに譲るとして、この報告書を読んでまず感じたことは、男女共同参画課としての評価・分析・今後の課題が一貫しておらず、見えてこないことである。繰り返しになるが、「男女共同参画の視点による評価」とは、男女が経済的、政治的、社会的に同等の権力を行使していない、つまり権利と義務の関係に男女の性別役割分担が色濃く投影されているということを前提として、それをどう解決していくのか、そのための男女共同参画であるということをしっかりおさえて、リーダーシップを発揮していただきたい。
課題別評価について施策にそって意見を述べる。

課題1
@ 幼児教育における環境づくりは具体性に欠けている
周知依頼文の送付では課題も見えてこないし進歩も望めない。子ども達を取り巻く環境は視点1や3から見て結果的に進歩していない状況にある。不必要な男女分けがされていないか等、生活・行事等の場面での具体的なチェック項目を提示すると実態も把握でき、目標もはっきりしてくる。そうすれば評価が実践にいかされるのではないか。
A 教育内容の充実は視点1.2.3を更に深める取り組みが早急に必要
子ども達は未来に向かって国際的に通用する人権感覚を身につける必要がある。学校現場は「差別はない、平等だ、何を今更」という認識の方が強く、取り組む必要性を実感しにくい面がある。まず国際比較では日本の差別状況がかなりひどいものだという事実の共通理解がしっかり行われなければならないと思う。教職員自身に、隠れた差別の実態が見えてくるための手だてを活用したい。
B 学校運営の充実では「C」評価が残念だが事実だと思う。
組織として男女平等を推進していく部署が無い学校が多いことも問題。実態把握、目標設定、取り組みそして評価という流れであるなら制度や機関の設置は必要。管理職が差別撤廃条約や男女共同参画の意義を理解していない実態があることが遅れの大きな要因ではないか。男女別名簿でなく混合名簿への取り組みの進捗は男女共同参画社会を築いていく流れの一つのバロメーターであることは共通認識である。
C 教育における男女平等体制の項目が未整理
ここで何を評価するのか分かりにくいが、意識作りの研修が日常の活動を変える取り組みに進んだことはすばらしい。意識的な差別はないが善意の無自覚差別は案外多いので、子ども達にとって良い環境の提示になったと思う。この取り組みを積極的に広めていく姿勢が行政に是非ほしい。

課題の進捗状況
   進捗度はCが妥当。研修と啓発が具体的変化を生み出していかないと、進展しているとはいえない。積極的な取り組みの所があったことはすばらしいが、ほとんどがそうではない事実をしっかり自覚する必要を感じる。

今後の課題
男女平等意識の周知依頼だけでは環境は作れない。未来に生きる子ども達への働きかけは重要。どのような環境において子ども達に視点1や3 が保障されると考えているのかを提示し、行政としてのリーダーシップを発揮することが必要だ。意識作りは具体的行動の変化を通して積み重ねられていくのだから、意識調査やbXにあるような進んだ取り組みの紹介が大事。また企画・評価・推進を進めるためにも、現場に推進していく組織を置くことが必要。bVの取り組みが早急に必要。

課題2
@ 男女平等と共同参画の意識作りに向けた学習であったかが、一番問われなければならない。学習は自主自立が原則としても主要課題との関係は厳しく求められなければならない。日本の遅れの現状やなぜ男女平等参画意識が重要なのかの認識が深まり、自分の生活次元で見直す力となるかの吟味は行政のアドバイスが重要ではないか。基礎講座として共同参画関連編の学習を付帯したり、終了時に認識や意識の変化がわかる手段があると、評価にも生かせて次のステップに有効。学習支援課として男女平等に関する講座をやるべきではないか。bP3〜17は視点6の前に視点1・3が必要。また情報提供の一環としてパネル・写真等の常設を希望する。
A 学習しやすい環境整備が向上しているのは良いが不十分。
B 女性史・女性学・ジェンダー論の講座がない。男女共同参画課から是非働きかけてほしい。
C 労働環境が悪化し、いつの間にか競争に追い込まれている共働き家庭は子育てにおいても厳しい状況になっている。その現状の中で未婚化の増加が続いている。料理の楽しさも大事だが「子育て半分責任は人間の条件」・「性別役割分担は差別人間」という自覚が育つ取り組みかが問題。何を取り扱うにしても、「平等の意識作り」に繋げていくことを行政の強力なリーダーシップでやらなければ意識は変わらない。   また、人権教育に根ざした性教育の手引き書発行も評価できる。その視点にもっと性そのものが単純に男・女に分けられるものではない「性のグラディエーション」としての見方を入るべきだ。トランスジェンダー等のマイノリティーを個性として認識していく視点は人権感覚としても重要である。
D DV問題の取り組みは一定程度評価できるが更に深めてほしい。環境・条件整備の充実が早急に必要。職員への研修は重要。更に充実させ、意識の変化が市民からも感じられると良いのだが、現状はまだまだである。
E 取り組みの長い歴史に敬意を表す。意識の啓発というのは、日常の意識からの飛躍を求めることから強いリーダーシップが必要である。女性フォーラムを通してたくさんの女性達が知恵と勇気をもらってきた。参加者人数による評価は本質を曲げてしまう恐れがある。押しつけや難解は勿論望むものではなく、楽しくできる方法の工夫が必要だ。しかし内容と課題との関連で深まりが評価されなければならない。女性差別撤廃条約に関わる課題だという軸がぶれては何もならない。
F 評価できる。調査そのものが啓発の役割を担うわけだから、発見があったり考えさせられたりという楽しいものでありたい。貴重なデータは生かしてこそ意味がある。 

課題の進捗状況
B評価が妥当。行政としてのリーダーシップを発揮して男女平等参画意識を作っていくべきである。

今後の課題
  男女共同参画センターの必要性と意義を大々的にキャンペーンし、拡充する必要がある。男女共同参画課が推進する学習は、社会や暮らしを男女平等にしていく学びであり実践であるかが重要。行政としてリーダーシップを発揮して質の向上を図っていくべきだ。

課題3
@ 女性に対するあらゆる暴力の根絶
・ DV被害者の自立支援について、職業訓練など就業支援が必要だが、取り組みや関係機関との連携がまだ十分ではない。
・ DV被害者支援のための関係機関、団体との連携では、「関係機関担当者会議」の発足は評価できる。加えて、市民団体の電話相談や自助グループとの連携も課題である。
・ 性被害から青少年を守る取り組みがC評価であったことは残念。人権の中に子どもの権利条約の趣旨がいかされにくい現状がある。プライベートゾーンの認識とあわせて、子どもへの暴力、性的虐待に対する取り組みを子ども施策に関する所管(教育・保育園・児童館・学童保育所等)が連携してもっと行うべきである。
小中学校の保護者会等で実施しているCAP(子どもへのあらゆる暴力を許さない安全な社会をつくることをめざす活動)などの取り組みを共有化し、事業化することは有効と考える。
A 人権の尊重と性に関する基本的認識を深めるための啓発と学習
・ 全体としての取り組みが弱く、とくにリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関して、Dは残念である。少子化で、女性に子どもを産むことを強いる風潮がある中、女性の性に関する自己決定についての具体的な施策展開は重要である。
・ 学校教育での性教育は、年間指導計画の作成と市教委への提出が実績とされているが、子どもの人権尊重の立場にたった性教育の環境整備が必要である。
B 人権の尊重に基づいた相談と援助
・ 外国人女性への情報提供では、パンフレットの作成などでは、英語版だけでなく、中国語・ハングルなど多様な言語での情報提供が必要である。
・ セクシュアル・ハラスメントの初期相談窓口は、極めて重要なので意識的な女性にすべきである。教育センターや学校での相談窓口が校長や元校長という安易さはやめるべきである。都内大学では相談員に第三者(女性)を置いている。
・ セクシャル・ハラスメントに対する相談件数や、市内事業所などでの実態は改善されているのか検証が必要である。

課題の進捗状況
DV防止法や男女共同参画課が設置されて、DVに関する施策は進んだが、まだ男女共同参画課以外の所管の取り組みは弱く、全体的な評価としてはAではなくB評価が妥当である。

今後の課題
 性教育については、子どもの権利とリプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点をもったカリキュラムの作成のために、男女共同参画課の情報提供などの援助が必要である。

課題4
@ 審議会などへの参画の推進
・ CとDの評価のみで残念。審議会の女性比率が目標を達成できない理由や、実施事業(No.48)が人材育成という目的達成のために有効な事業であったのかを分析する必要がある。
・ 女性参画率の低い審議会の要因を明らかにし、参画率を上げていくための方策を立てること。
A 行政運営への参画の推進
・ 配置や職務分担に性別役割分業意識がまだ反映している。進まない原因を、労働条件や性別役割分担の実態も合わせて分析し、改善のための目標値を設定するべきである。
・ 政策方針立案・決定の場への女性の参画の重要性は指摘するまでもないが、管理職の女性比率は極めて低い。目標値の年次計画を定め、女性管理職の養成を行うなど、積極的な是正策を実施すべきである。
B 政治参加への意識づくり
・ 実施した事業(No.51,52)が、女性の政治参加を促進する適切な事業とはいえず、男女平等の視点からの積極的な取り組みとは評価できない。
・ 日本は、女性議員の比率は国際比較においても極めて低い。議会への女性参画を促進するための積極的な事業展開がのぞまれるが、情報提供のみの事業でD評価は残念。
・ 女性の政治参加を促進するために、男女共同参画センターや学習支援課事業として「女性と政治」をテーマに参政権獲得の歴史などの講座を実施すべきである。

課題の進捗状況
C評価は妥当。

今後の課題
政策・方針決定過程への参画について、市役所内部及び市内民間企業への働きかけも必要である。例えば、No.47,48,51,52の事業の再検討をし、課題を達成するために有効な事業についてプランの再考をすべきである。

課題5
@ 家庭における参画の推進
・ 男性の家事・育児・介護に関する知識や技術の習得のための講座の開催だけでなく、介護・子育ては女性の役割ではなく、男性も平等に分担するという意識改革のための講座・広報と社会のしくみづくりのための施策が重要。
・ 育児休暇制度や介護休暇制度において、男性がきちんと休暇が取れるような手立てが必要。意識や啓発だけではなく男性が育児できる仕組み(パパクウォーター)についても市の取り組みに入れるべき。
・ 「ぱれっと」を意識啓発のために発行しているが、多くの人の目にとまる工夫が欠けている。配布方法に検討が必要。
・ @の項目の目的に照らし、実施後、各年齢層に意識の変化や家庭における参画の度合いがどのように変わったのか両性からモニタリングをすべき。
A 地域活動への参画の推進
・ 町会・自治会に対しての補助金の使われ方の検証はどのようになされているのか、疑問である。検討が必要。補助金を交付しただけでは男女共同参画がすすんだかは判断できない。この目的につながるような使われ方をしているのか検証すべき。 ・ 地域活動の中心となる人材育成の取り組みの講座受講者がどのように地域活動を具体的に担っているかの検証が必要。
・ 人材育成プログラムに性別役割分担が入りこんでいないか検証が必要。
・ 「やりました」だけでの評価はCとすべき。やった結果進捗があればBとすべき。

B 市民協働・ボランティア活動への参画の推進
・ ボランティアをしたい人とボランティアを求めている人とのコーディネイトにとどまらず市民事業(NPO事業)における同様のコーディネイトも必要。また、市民活動や市民事業に関わりたい人達をつなぐ機能も必要ではないか。

課題の進捗状況
講座、講習会を開催するだけでなく、男女共同参画が広がっているか検証してい ない。C評価は妥当。

今後の課題
団塊の世代の人々が、市民活動に参加してきているが、活動についての参加の仕方、基本的な考え方の講座が必要。多くの人の参加によって市民活動に混乱がおきることのないような場の提供が課題である。

課題6
@ 国際理解に関する学習機会の拡充
・ 国連機関や諸外国など国際的な男女平等に関する動向・情報は、意識の変革を促す。 情報収集や提供、学習機会の拡充をもっと積極的に行うべきである。
A 国際交流の推進
・ 国際交流事業が拡大したことは前進であるが、男女平等の視点からどのような事業が取り組まれたかが評価の対象となるべきである。
・ 留学生や在住外国籍女性の抱える問題などを捉える必要がある。特に、日本で結婚生活を送る女性は、子育てやパートナーとの関係などで悩んでいる。2006年度は外国人市民会議が開催予定であるが、女性の立場からの問題を明らかにし、解決のための機関などを設置すべきである。

課題の進捗状況
国際交流の機会拡大のみでB評価とするのは安易ではないか。

今後の課題
講座の分野別テーマに「国際社会と男女平等」を位置づけ、年間を通して学習機会と情報の提供を実施すべきである。

課題7
@ 就業支援
 ・ NO.69において高齢者の就業機会の拡充と生きがいの場の拡大に努めるとあるが、高齢女性の就労に資する援助がなされたのか、内容と取り組みの分析が必要である。
・ 母子家庭の就労相談については、相談と職業安定所への案内では現実的な就労に結びつかないだろう。市内事業所への積極的な斡旋、働きかけなどが望まれる。
A 起業支援
・ 女性への起業支援は利子補給金事業のほかは特別枠を設けていない。男女共同参画センターとしても起業の手続きや経営相談など実質的な支援の場を設定することが必要と思われる。

課題の進捗状況
しごと情報館での、女性来訪者の数、年齢、就業率、雇用形態の区別、相談事例などの検証が必要。それによって、市内の働きたいと希望する女性の概要を把握し、適切な対策をとるべきではないか。開館時間の延長をもって課題の評価をBとすることに無理を感じる。

今後の課題
高齢女性、母子家庭の母親など、就業が難しい女性への施策がCであるが、対応が急がれる。市内事業所への啓発が望まれる。また、母子家庭の母親への技術取得プログラムの充実は急務である。

課題8
@ 保育・介護の充実
・ 産休あけ、育児休業あけの保育保障が具体的にない。早急に対策をすべき。
.72は待機児の解消について具体的な目標設定が必要である。
A 育児・介護に関する制度の普及
・ 市民の男女別の、家事・育児(PTAや子ども会等の活動も含む)、介護、地域活動等の参加率を調査し、数値を把握する必要がある。
・ 育児休業、介護休暇の男女別の取得率を調査・公表する必要がある(せめて公務員)。

課題の進捗状況
  B評価ではあるが、待機児の解消や病後児保育の充実は早急に求められる。
ひとり親家庭の保育支援は人権としてとらえるべき課題である。

今後の課題
育休制度利用の普及は労使双方の課題である。市内事業所への啓発が必要であるが、八王子市庁内でも育休取得者を増やす取り組みが必要である。特に男性の育休取得を進めるための施策、男性、雇用者側の学習機会が望まれる。また介護保険制度の大幅な見直しにより、要支援者の増大が懸念されている。労働者への影響調査が必要であり、介護休暇制度の充実や啓発が必要である。育児や介護が個人的なものではなく、社会全体の課題としてとらえられるよう広範な所管での連携が期待される。

課題9
@ 平等な雇用のための制度普及
.82.83において男女共同参画課の取り組みがD 評価であることは残念。
視点の基本に4.5を置き制度普及を進めることが必要である。
A 環境の整備
 働く女性のネットワークづくりの目指すものが見えにくい。
市内の事業所の男女平等度を公表し、具体的な啓発をすべきではないか。
市内事業所アンケート調査は評価できる。この結果を生かす方法を明確にし、各事業所への情報提供が必要である。

課題の進捗状況
労働問題を印刷物で周知することの限界がある。労働現場の現実の課題を出し合い、共有する取り組みが必要である。労働の問題を国や制度の責任とし、行政として身近な問題としての切り口をみいだせないでいる。

今後の課題
・ 働きながら行う育児・介護の問題、職場に存在するジェンダーによる差別など社会問題を制度面及び労働者の意識面から改革していくために、他機関との連携や、きめ細かな啓発事業が必要。学校教育の場での啓発活動も必要。

課題10
@ 高齢者への支援
・ 高齢者の実態は把握されているが、民間住宅の斡旋など市として保証人制度を具体化するなど積極的な手立てが見られないのは残念。持ち家の人も単身生活をしている高齢女性が増えている。経済的、社会的に住み慣れた地域で生活できる取り組みが必要。
・ 成年後見制度の推進をはかる必要がある。財産管理とあわせ、日常生活の支援相談が欠かせない。LSAやワーデンは24時間体制がとられ、緊急時の対応もすることとなっている。身分も明らかになっており、いま、市が進めようとしている見守りネットワークだけでは不十分な部分をカバーできるシステムとして、充実を図っていくことが望まれている。公営住宅入居者だけではなく、地域にも必要な機能として取り組みが欠かせないが、これまでの取り組みについて課題を整理し、取り組みを広げていくべきである。
・ 介護の現場において、在宅、施設に関わりなく、ジェンダーによる人権侵害が介護を受ける人、する人に発生している。介護技術だけではなく、視点1、11の観点からも取り組むべき。
A ひとり親家庭の生活の安定と自立への支援
・ 就労支援の効果の測定が必要である。就労継続のための子どもの保育体制が整っているのか、安心して預けられるようになっているのか、実績の検証をする。
・ ひとり親家庭の支援については、申請の簡素化をはかったが、土日にも窓口を開けるなどのサービスが必要。
B 福祉に関する相談の充実
・ 女性福祉相談は緊急対応できるよう、24時間体制が求められている。身近な相談窓口として、市の対応が望まれている。人材の育成と体制を整える必要がある。 ・ 相談内容が情報提供にととまらず、受けているサービスに対しての苦情処理、解決まで含まれている。オンブズパーソン制度の取り組みも進めるべきであり、評価に際して権利に関する視点が必要。
・ 高齢者の相談窓口を歩いて行ける場所につくる。
・ 医療・生活支援への相談に対応できる専門職の配置が必要。

課題の進捗状況
ひとり親家庭がかかえる問題の解決に向けての相談事業の充実には、専門職員の配置が不可欠である。高齢者の相談窓口の充実についても、C評価が妥当。

課題11
@  介護支援体制の充実
・ 男女に関わらず、介護に携わる意識づくりが課題とあるが、あわせて介護休暇を取りやすい職場環境の整備が求められる。女性が職場を中途退職することが減ってきているのかなど、市内の事業所では介護休暇制度の活用がどれほど進んだのかその実績調査をすべき。
A  介護サービス等の充実
・ 在宅、施設に関わらず、介護する人の男女平等や同姓介護の問題の解決が急がれる。 ・ 訪問介護員の育成には、男性も積極的に参加できるような工夫をすること。
・ 介護従事者の質の向上を図るため研修を義務付けるなど事業者責任を明確にしなければ、この評価を高めるには限界がある。同時に不安定雇用を減らし、働き続けられるように身分保障を整えていくことが肝心。
・ 高齢者の生活支援の充実をはかるためには、配食サービスを365日できるしくみや訪問介護の24時間体制などが必要。
・ 調査によると、大横福祉センターの利用実績が他の施設より低い。その理由を調査する必要がある。建物の老朽化、運営体制の課題があるのか、課題が見えてこない。 B 子育て支援体制の充実

・ 児童虐待については、緊急避難場所の確保、親の支援などきめ細かい取り組みが必要。
・ 児童虐待の背景にはジェンダー問題が深く関わっている。また、子どもの権利保障の視点がしっかりと大人にも子どもにも理解されていないと悲劇は繰り返される。
市がまず取り組むべきは、子どもの権利条例の制定である。

課題の進捗状況
  子ども家庭支援センター相談窓口の利用も増えてきているが、さらに関係機関との連携を強化する必要はある。

今後の課題
  介護保険制度改正後、従来のサービスが受けられなくなるなど高齢者の声を受け止める必要があり、更なる充実が求められる。

課題12
@ 妊娠・出産、性に関する啓発と相談
・ 性にかかわる健康に関する講座を幅広い年齢層の状況に応じたテーマ設定で行ったことは評価できる。
・ 女性のための保健相談の開設は評価できる。実績に結びつかないことの分析として、周知が不十分とあるが、保健センターとの連携による開催が、結果として市民への機会拡充につながるという意味では評価できる。
B  疾病予防と健康つくりの充実
・ 心の相談は件数の多寡に関わらず、常時相談できる体制があることに意味がある。前年度と比べて横ばいであることをC評価とするのは不適当。

課題の進捗状況
全体的に、市民の健康への意識は高まっており、施策を具体化しやすいこともあり、相談事業の拡充は評価できる。
市内医療機関に、女性の生涯を通じての健康を管理維持し、メンタルケア、啓発を担う診療部門が設置されるまでには至らず、B評価は妥当。

今後の課題
男女共同参画センターと保健センターの連携は評価できるが、両機関の特色をもたせることも必要と思われる。相談需要の掘り起こしを行い、相談時間帯、対象者の拡大などが必要。
女性特有の病気への関心の喚起と相談の充実、市内医療機関とのさらなる連携拡充。 エイズの問題を性教育と絡めて、啓発してほしい。
若い世代の性の悩み、トランスジェンダーについてなど、社会全体の認識を広める多様な講座、相談事業の充実が望まれる。
健康管理については、学校教育、社会教育のプログラムに位置づけ、生涯にわたる健康の自己管理能力(栄養・食事への関心と知識を持ち、自ら実行する能力)を育てることが必要である。保健センターが他の所管への情報提供を行い、連携していくことが望ましい。 中高年男性の健康管理能力を育てるプログラムが必要
高齢女性の低所得者への健康管理を支援する仕組みが必要
女性の健康・医療面のデータ不足を解決するために、医療機関や大学、研究機関への要請が必要(東京都、国への要請)
八王子市独自のデータ収集、活用についても検討課題とすべきである。

課題13
   課題説明について、現状は男女共同参画センター開設により、男女共同参画施策推進体制が整備された。また「男女がともに生きるまち八王子プラン」を改定し、庁内に男女共同参画施策の推進をアピールする環境が整ったといえよう。
目指す方向は八王子市の男女共同参画社会実現である。何よりも庁内の連携及びプランの進行管理が必要である。市民との連携や国・東京都・他区市町村との連携の促進により「何を目指すか」を明確にする必要がある。
@ 庁内推進体制の強化
・ 男女共同参画センター開設によりセンター運営を優先し、庁内推進会議の運営が停滞したのは残念。「男女がともに生きるまち八王子プラン」を改定しながら庁内推進会議が開催されないのは役割自任の欠如といえよう。
・ 118のプランの進行管理の強化に「市民を取り込んだ評価システムの構築」とあるが市民を取り込むという表現は不適切。また市民の評価システムについての議論や理解は全く不十分で16年度はC評価が妥当。
A 市民との連携の推進
・ 119市内の男女共同参画について活動する団体との連携は、団体が限定されることはやむを得ない。団体への働きかけの方法、対象を広げることなどが不十分であった。しかし、男女共同参画センターの講座企画に団体から選任したプランナーズ委員を起用する構想は、委員の努力と協力により実績が上がっており、C評価は不適当。団体との連携とは何をさしているのか不明である。
・ 男女共同参画施策推進委員会の性格が市民にとって不明瞭。市民の参加意識が低い。B評価が妥当。当初想定の男女共同参画センター運営協議会と施策推進委員会とは名称が異なるだけでなく、役割の違いもあるなど、所管としての整理が不十分。
B 施策の推進
・ 市内事業所へのアンケート調査は評価できる。調査結果を活用し施策展開することが望まれる。
C 国・東京都・他区市町村等との連携強化

課題の進捗状況
仕組みをつくったことは前進。但し、市民の意見反映は不十分である。男女共同参画概念は必ずしも多数派の価値観とはなっていない。参加する市民に対し丁寧な取り組みが必要である。

今後の課題
庁内推進委員会の責任体制の強化と活発な運営が必要。
職員研修プログラムに男女共同参画を必須項目とし、定期的受講の義務化が必要である。
評価システムを構築するについては専門的な評価グループが必要である。現段階の評価システムは、庁内推進委員会及び各所管による自己評価の段階であり、第三者評価とはいえない。庁内各所管の自己評価による事業評価を男女共同参画課が再評価したものを、専門家及び市民参加の評価チームにより再評価することで、ある程度の公平性を得ることが出来る。
市民参加の施策推進について、さまざまな手法の検討が望ましいが、多様な市民意識への迎合により、男女共同参画を推進するセンターの基本姿勢を崩すことが多々見られる。運営への参加を市民に開くことは必要だが、運営に参加する市民への研修が必要である。
Cの連携強化については、都の施策後退について自治体間が連携し、前向きな取り組みを要請すべき。

課題14

@ 国・東京都への要望
・ シェルターへの予算要望を都に行ったということであるが、市町村としての努力を見せるべきである。市の予算がついていない。

今後の課題
「必要性の理解を求める・・・・」という意味が不明瞭。
東京都の女性行政の後退は、これまでの都民と都の努力による先進性を無にするもの。他区市町村と連携し、社会全体のジェンダーバッシング風潮に対し、男女共同参画について国・都が条約や基本法の理念に基く明確な態度表明及び啓発を行うよう求める必要がある。
各種法・制度により男女平等を確立するために地方公共団体として八王子市は積極的に国・都への要望をあげるべきであり、必ずしも他区市町村と足並みをそろえる必要はない。八王子市の男女共同参画社会構築の姿勢がゆるぎないことが示されるよう期待する。